アジャイルとDevOps
【アジャイルとDevOpsとの違い】
アジャイルとDevOpsとは何が違うのでしょう?
今日的意味合いを考察します。
DevOpsはデヴオプスと読みます。Devは開発者、Opsは運用者を指します。つまり、この両者が一緒に運用を踏まえたアプリケーションを作りましょうという考え方、プラクティスのことです。
2009年にFlickrのエンジニアが世に出した言葉です。用語自体に定義はありません。
アジャイル開発技法と一緒に、最近よく目にします。アジャイルはソフフトウェアの迅速開発技法の総称です。
もうひとつ、リーンスタートアップという言葉もよく一緒に登場しますリーンスタートアップは迅速事業立ち上げ法のことです。こちらは今日現在ウィキペディアに項目がありません。
【ビジネスのデジタル化】
この3つのワードが最近よく登場するのはなぜでしょう。
それはビジネスのデジタル化というトレンドとリンクしているためです。
ユーザ主導のデジタル化の目的は新しいビジネス価値を作り出すことであり、従来の大掛かりで時間のかかるシステム開発を好まないため、新しい技法が必要になっていることが発端なのです。
そこでアジャイルやDevOpsが注目されたというわけです。
そうした状況下で、用語の意味合いが変遷してきています。
“リーンスタートアップを目的とし、アジャイ・ルシステム開発技法を用いた、DevOpsのプラクティスでシステムを構築する。”
このような用法が今日的な意味を最も表しているのではないでしょうか。
【ウオーターフォールの終焉】
スマートフォンの普及がユーザのデジタル化を加速させました。
サービスの提供側はより迅速にシステムを投入しなければならず従来のウオーターフォール型の開発では対応できなくなりました。
ご存知の通り、ウオーターフォール型ではシステムを細部まで詰めるという方式で開発精度を引き上げる技法です。つまり、ウオーターフォール型では何を作るかのすべてが初期段階で明確に定義できなければなりません。
この点が今のニーズに合わないのです。
今日的サービスの提供は拙速でもいいからまず市場に投入し、ユーザの反応を確かめたいのです。
アプリケーション・システムはユーザとともに成長させればいい、そう考えられているのです。まさにアジャイルな発想と言えるでしょう。
さらに、スポンサー部門は時間短縮とのシステムの目的精度を高めるため、マーケティングや営業、情報システムといった関連部門を巻き込んでシステム開発を進めようとしました。
これが最新のDevOpsの考え方です。
【DevOpsは経営判断】
ある通信事業者ではまさにこのDevOpsでの開発が3割程度にまで広がってきています。
それでも営業部門を巻き込むのは難しいそうです。
営業はそんなものに付き合っている暇はない。そんなスタンスです。
営業らしい反応です。
しかし、この通信事業者のDevOps推進リーダは、こうした混成DevOps部隊でのアジャイル開発が営業にとってもメリットがあると理解される日は近いとの感触をえているようです。
これが極めて今日的リーンスタートアップの事例と考えられませんか?
今日的DevOpsは部門横断のあり方、サービス提供のあり方、りん議のあり方をも変革してゆくのです。
サービスが週単位で投入可能な状態にあって、りん議が2ヶ月かかるのでは、経営のあり方が問われます。
まさに、「DevOpsは経営判断」なのです。
今、プロジェクト・マネージャーにとってスピード・マネージメントは重要課題なのです。
PMPを学習するだけではこれからのPMは務まりません。
より実践的で、戦略的プロジェクト・マネージメント技法が必要なのです。